クリニックの基本診療内容

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妊娠中のトラブル

出血があったのですが、病院に行ったほうがよいですか?
 妊娠初期では切迫流産、中期以降では前置胎盤や、胎盤早期剥離、切迫早産など、妊娠中の出血は大きなトラブルの予兆の場合がありますので、病院を受診されることをお勧めします。もちろん自宅安静が好ましいような場合もありますので、判断を迷う場合は、ご遠慮なく電話などでご相談ください。
風邪をひいて熱が出ました。薬を飲んでも大丈夫ですか?
 風邪の場合、十分な休養(睡眠)と栄養補給が大切ですが、症状によってはお薬を必要とする場合があります。妊娠初期の器官形成期を過ぎれば、一般的に使用されているお薬で問題になるものは少ないですが、 市販されているお薬ではご不安な場合には症状に応じたお薬を処方しますので、遠慮なく受診してください。
虫歯があります。歯医者にはいつ行ったら良いでしょうか?
 虫歯は妊娠中に悪化する場合が多いので、治療をお勧めしています。妊娠初期からでも受診は可能ですが、緊急でない場合は妊娠の安定する16週以降が良いでしょう。
 必ず、歯科担当医師に妊娠していることをお伝えください。また、使われるお薬などでご心配な時は、歯科担当医師と連絡を取って処方することが可能ですのでご相談ください。
放射線や食品添加物が気になります。大丈夫ですか?
 ごく一般の日常生活では、放射線や食品添加物を過剰に心配する必要はないようです。胎児に影響する放射線量は100-200mSV(60-300mSVと報告に幅があります)と、極めて大量の被曝量であり、普通の生活では大丈夫と思われます。
  また食品添加物も普通の食生活であれば影響はないものと考えられております。もちろん被曝はしないほうが良く、食品添加物も摂取しないに越したことはありませんが、心配しすぎる必要はありません。
旅行に行きたいのですが、いつまでなら大丈夫ですか? 遠距離でも大丈夫ですか?
 産み月の妊娠10か月になったら旅行や遠出は御控えください。万全を期して出産に備えましょう。国内旅行は特に異常がなければ、出かけることに差し支えはないのですが、無理のない余裕をもった行程にしてください。旅行先で何かの時受診できる医療機関があるかどうか調べるくらいの慎重さ、また出かける前に何かトラブルが起こった場合は中止する勇気も必要です。遠距離でも特に心配はいりませんが、移動時間は短い方が負担は少ないです。外国旅行はあまりお勧めではありません。旅行はあくまでも自己責任で出かけるものであるということを忘れないでいただきたいと思います。
便秘のせいかおなかが痛いです、大丈夫でしょうか?
 妊娠中は便秘傾向になります。お腹が痛くなるようであれば、下剤が必要だと思われます。通常3-4日排便がなければ緩下剤(夜服用し、便を軟らかくして朝排便を促します)を使用します。病院での処方が可能ですのでご相談ください。なお、浣腸は子宮収縮を起こす可能性がありますので使用しないでください。また、時に子宮の収縮で腹痛が起こっていることがあります。お腹を触って固いようでしたら、受診するか電話などでご相談ください。
お腹が張ります。どの程度までなら様子を見ていいでしょうか?
 妊娠中の生理的子宮収縮と切迫早産に至る子宮収縮との区別はなかなか難しいです。一日数回ですぐに収まるものであれば心配はないものと思われますが、回数が増加したり、収縮の強さや時間が増す場合は病院を受診してください。実際に受診していただいた方の中で、診察の必要がある方が多くいらっしゃいます。切迫早産の場合に必要な検査(NST、炎症の検査など)を受けていただくこともあります。判断に困る場合は連絡の上、受診をお勧めいたします。
耳鳴りがします。プールのなかにいるような・・・どうすればいいですか?
 いわゆる妊娠性の耳管狭搾症だと思われます。大きく口をあけて欠伸をしてみてください。 大体の場合はこれで治ります。
あまりひどいようなら、一度耳鼻科にご相談ください。
運動をしていいですか?
 子宮収縮などの切迫早産兆候がなければ、快適に妊娠経過を過ごし安産になるように適切な有酸素運動が推奨されております。マタニィティビクス、マタニィティヨガ、マタニィティスイミングなど、指導者とともに行う運動はより安全な運動と思います。低酸素状態になる登山、陸上競技等はお勧めできません。手軽に行えるのは散歩です。御夫婦お2人で手を繋いで散歩されてはいかがでしょうか。なお、天候気温を考えて、転倒等に十分注意して行ってください。

出生前診断

出生前診断とは何ですか?
 妊娠中の赤ちゃんの染色体や身体の構造が正常かどうか調べる方法です。
出生前診断にはどんな方法がありますか?
 胎児超音波検査と母体血清マーカー検査、羊水染色体検査があります。
  1. 胎児超音波検査
    1)胎児心拍の有無、胎児の位置や向き、胎盤の位置、臍帯の様子、 羊水量、胎児発育の計測

    2)心臓、腎臓、肺、消化管、頭蓋内(脳室等)など、わかる範囲 での胎児形態異常(先天性疾患)のチェック

    3)赤ちゃんの首の後ろのむくみの有無などをチェックします。
  2. 母体血清マーカー検査
    妊婦さんの血液を採取して、胎児がダウン症や18トリソミー、開放性二分脊椎などの病気を持っている可能性の高さを調べるものです。
    つまりこの検査では病気の診断はできません。
  3. 羊水染色体検査
    これは、羊水中の物質や羊水中の胎児細胞をもとに、染色体や遺伝子異常の有無を調べる検査です。検査の結果がでるまで通常2週間程度を要します。
健診で赤ちゃんの首の後ろがむくんでいると言われました。ダウン症なのでしょうか?
 妊娠11~13週頃に赤ちゃんの首の後ろにむくみがみえることがあります。これは英語でNuchal Translucencyといい、NTと呼ばれています。リンパ液が溜まった状態で、ほとんどの場合、生理現象で出てくるものです。つまりすべての赤ちゃんにNTは多かれ少なかれ存在します。
  しかしこのNTの厚さがその週数である一定を超えた場合に、ダウン症などの染色体異常または、心臓、腎臓、骨などの臓器の先天性疾患の確立が少し上がるといわれています。
 したがって赤ちゃんの首の後ろがむくんでいると指摘されたからすべてがダウン症ということはありません。
出生前診断は受けないといけないものですか?
 必ずしもそうではありません。これらの検査の意義を理解された妊婦さんが、検査を行うことを希望する場合のみ行う検査です。妊婦さん全員が受ける検査ではありません。
出生前診断はいつごろ受けるものですか?
 当院では、血清マーカーテストは妊娠15週~18週の間、羊水検査は妊娠14週~20週までとしております。費用は、両検査ともに各種保険適応外で血清マーカーテストが2万960円、羊水検査は10万3200円です。検査結果は、両検査ともに2週間程度でわかります。 (2011年10月現在)
検査で異常と診断された場合はどうすればいいですか?
 個別に対応させていただいております。これは、非常にデリケートで、繊細なお話です。外来で相談しましょう。

高齢出産

高齢出産は何歳からですか?
 日本産科婦人科学会では、35歳以上の初産婦を「高年初産婦」と定義しています。経産婦については特に定義されていません。一般的に、高齢妊娠(おおむね35歳以上の妊娠)では、経産婦も含め、質問「高齢出産のリスクは何ですか?」でお話しするようなリスクが考えられるため、より注意深い管理が必要となります。
高齢出産される方はどのくらいいますか?
 平成22年厚生労働省の人口動態調査によれば、高年初産婦の割合は全体の17.1%となります。また、初産に関わらず35歳以上の産婦の割合は23.8%となり、およそ4人に1人が35歳以上の出産となります。
当院では、高齢初産は19.2%、高齢出産は42%です。(2011年1月~12月、分娩総数847件におけるデータ)
高齢出産のリスクは何ですか?
 特に高齢初産の場合、分娩時に、子宮頸管熟化の遅れ(産道がなかなか成熟してこない)や軟産道強靭(子宮の出口が固くて赤ちゃんが出てこれない)、微弱陣痛(陣痛が来てもそれが弱い)などによる分娩遷延(お産が長引くこと)が多くなるとされています。
統計上でも、子宮の出口が全開大になってから分娩までの所要時間(赤ちゃんが生まれるまで)は、経産婦では年齢による変化はありませんが、初産婦では30歳以上では明らかに所要時間が長くなる傾向にあります。
高齢でも初産じゃなければ大丈夫ですか?
 母体の年齢が上がるにつれ、自然流産率が増加します。これは卵子の老化により、受精卵に染色体異常が起きやすくなるためと言われています。代表的な胎児の染色体異常としては、ダウン症候群(21トリソミー)があります。妊娠中に診断する方法については、「出生前診断」の項目をご参照ください。
 また、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、子宮筋腫、そのほか内科的疾患を合併する割合が増加し、妊娠・分娩に対して注意深い管理が必要となる場合が多くなります。
高齢出産だと出産は大変なのですか?
 先に述べたように、高齢出産では一般的にリスクが高くなるのは事実ですが、年齢を重ねるにつれ精神的・社会的に安定してお産を迎えることのできる方は、困難に直面した際にも冷静に対応できることが多いように見受けられますので、デメリットばかりではありません。また、妊娠できる体の状態を持つ方は、一般的に健康状態も良く、「高齢出産だから必ずお産が大変になる」とは限りません。ご自分の体を無理なく安産にもっていける方も大勢いらっしゃいますので、必要以上の心配はなさらないでください。リスクが高いと判断される方には、気をつけるべき点や受けた方がよい検査などをこちらから情報提供いたします。せっかくの妊娠生活、心配ばかりして過ごすのはもったいないと思いませんか?前向きに、楽しんで毎日を過ごすのも、安産の秘訣です。
高齢出産だとどのような産院にかかったらいいですか?
 先に述べたように、高齢出産にはリスクが伴う可能性が増えますが、そのリスクの大小によりおすすめする分娩場所が変わります。また、お産をなさる方ご本人の「どのようなお産がしたいか」という意向も大切です。 なお、当院では、高齢出産は42%です。(2011年1月~12月、分娩総数847件におけるデータ)
客観的な判断がほしい方は、厚生労働科学研究「産科領域における安全対策に関する研究」研究班による『妊娠リスク自己評価表』が、以下の「愛育ねっと」サイトで公開されています。 参考にしてください。
http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/kaisetsu/ks0506/ks0506.htm

流産

流産になるかもしれないと言われました。いつ、はっきり診断されるのでしょうか?
 まず『流産』とは、妊娠22週未満で赤ちゃんが母体外に出てきてしまう状態です。妊娠22週以降に赤ちゃんが出てきてしまう『早産』と違う点は、妊娠22週未満では母体の外の環境で赤ちゃんが生存できないという点です。
妊娠週数は、最終月経、性交日(排卵日、体外受精の場合は卵を戻した日)、超音波検査で確認できる赤ちゃんの大きさで決まります。
妊娠の何週目に当たるかで、超音波上見える所見が変わってきます。妊娠5週以降で胎嚢という赤ちゃんのお部屋が見えてきます。妊娠6週以降で赤ちゃんの心拍が見えてきます。このような所見が予定の妊娠週数を過ぎても見えない時は、流産が疑われます。
しかし、月経から数えた妊娠週数は、月経不順がある方などではずれてしまう事も多く、妊娠初期の段階では正確な妊娠週数が分からないこともしばしばあります。そのため、1回の診察では流産の診断がつかないので、期間をおいて数回診察させていただくこともあります。
正確な妊娠週数は胎児の大きさなどで算定する必要があります。
出血も腹痛もありません。それでも流産の可能性はあるのでしょうか?
 あります。流産の形態は様々で、出血や腹痛を伴い子宮内容物が流出してくる場合を『進行流産』と呼びます。
出血や腹痛など自覚症状を伴わなくても、子宮内で胎児の発育が止まってしまうものを『稽留流産』と呼びます。
やはり、診断のためには病院での診察を受ける必要があります。
何が原因で流産になってしまうのですか?
 流産の原因には、大きく分けて母体側の因子と胎児側の因子があります。母体側の因子には以下のようなものがあります。
1)子宮に異常がある場合:子宮筋腫、子宮内ポリープなど。手術で改善する場合もあります。
2)内分泌異常がある場合:甲状腺疾患など。専門の先生と連携しての治療が必要 です。
3)感染症による場合
4)自己免疫異常による場合:不育症の検査を行い、必要があれば内服薬などを 使用します。
5)夫婦の染色体に問題がある場合
6)原因不明
流産の原因の殆どは胎児側の因子と言われていて、受精の段階で運命付けられたものです。残念ながら治療することはできません。そうした場合、環境や生活などが悪かったために流産してしまったわけではないので、次回の妊娠に影響することはないと考えられます。
どうすれば流産を防ぐことができますか?
 妊娠初期での流産の原因のほとんどは胎児の染色体の異常です。受精卵の染色体異常は両親からの遺伝などではなく、どの妊婦さんにも自然に起こりうるものです。現在の医学では、受精卵の染色体の異常を予防・治療するすべはありません。逆に言うと、今回の流産は次回の妊娠には影響しないと考えられます。
ただし、低い確率で、自己免疫疾患などの母体の理由で流産になってしまうことがあります。この場合、1回の流産の確率は15%程度と高いのですが、2回(反復流産)、3回(習慣流産)と連続して繰り返す確率は低いと考えられます。一般的には3回以上流産連続して繰り返した方には、流産の原因となる素因がないか検査することをお勧めしています。希望や状況により2回連続で流産された方も流産原因の検査をすることも可能です。
流産になったら手術をしないといけないのでしょうか?
 流産は、程度によって分類されます。
子宮内に子宮内容物が留まっている場合は手術が必要です。子宮収縮剤の内服で自然の排出を待つこともありますが、あまりにも長い期間待つと感染のリスクが出て、次回の妊娠の妨げとなってしまうことがあります。
この場合の手術は、子宮内容除去術といい、膣側から器具を用いて子宮内容物を排出させます。
麻酔は、静脈から麻酔薬を注射して行うことが多いです。
手術に伴うリスクには、非常にまれですが、子宮穿孔、感染症、出血などがありますが、十二分に注意して行いますので、必要以上に心配することはありません。
手術の際に医師から納得がいくまで説明を受けてください。

※手術に伴うリスクには、子宮穿孔(器具により子宮に穴があいてしまう。穴が大きい場合には開腹手術をして穴を閉じなければなりません)、感染症(抗生物質が効きづらい菌が繁殖してしまうと高熱などが出てしまいます)、出血(妊娠週数が大きいほど出血量が増える場合が多くなり、輸血が必要になることが稀に生じます)などがあります。

流産になってしまいました。次の妊娠で流産を防ぐ方法はありますか?
 流産に至った原因により、対処可能なものと、そうでないものがあります。  母体に何らかの自己免疫疾患があったり、大きな子宮筋腫などの器質的疾患があったりする場合を除いて、殆どは胎児側の因子による流産と考えられます。胎児側の因子による流産の場合は、残念ながら現在の医学では流産を防ぐことはできません。
流産という悲しい結末になってしまっても、次回は元気な赤ちゃんを妊娠できる可能性が十分あります。流産の診断が決定した場合は、気持ちを強く持って、次の赤ちゃんを万全の体制で迎えられるようにしていきましょう。
いつから、また子作りを始めてもいいですか?
 流産後に大切なことは、次の赤ちゃんが元気に育てるように、子宮の状態を回復させてあげることです。流産後の処置として手術をしたかどうかで、回復までの期間は変わってきます。一般的に、手術せずに自然に流れた場合(収縮剤の内服も含む)は、1回月経がくれば、子作りを始めて構いません。手術をした場合は、2~3回月経が来てからが望ましいと考えられます。また、初回の月経は子宮を綺麗に回復させてくれる役割もあるので、いつもより量が多いことがあります。その後、数回月経が起こり、元の月経周期に戻ってくることが多いです。
基礎体温表を作成し、月経が順調に戻っていくのを確認することをお勧めします。回復が遅い場合などは医師に相談しましょう。

HPVワクチン

HPVワクチンは大人が接種しても効果がありますか?
 性交渉未経験の方なら大いにあります。ただし、性交渉をした事がある方でも上記のHPV検査で陰性であれば、ワクチンの接種をぜひお勧めします。
すでに感染している方でも、ワクチン接種によってそれ以降の感染を防ぐことは可能です。
HPVワクチンで子宮頸がんは完全に防げますか?
 HPVには100種類以上の型があり、16、18、31、33、35、45、52、58型は子宮頸がん発症に関連する高リスク型です。その中でも子宮頸がんはHPV16型、18型の検出率が高く、HPVワクチンはその2つの型に対するワクチンです。したがって、他の型による子宮頸がんを完全に防ぐことは残念ながらできません。
しかし、その2つを防ぐことは子宮頸がんを予防するという観点で大いに有用です。
子宮頸がん検診を毎年受ければ、HPVワクチンは受けなくても大丈夫ですか?
 子宮頸がんは初期には自覚症状がありません。しかし早期に発見されれば、ほぼ100%治ります。そのためには「子宮頸がん検診」を受けることが大切です。
HPVワクチンも大変有効ではありますが、子宮頸がんを完全に防げるものではありませんので、できるだけ毎年、子宮頸がん検診を受けましょう。
なお当院では、目黒区在住の方なら区の子宮頸がん検診クーポンをご使用いただけます。クーポンがなくても、保険診療で約2500円です。月経期間を避ければいつでも受けられます。
すでにHPVに感染しているか調べることはできますか?
 当院で検査できます。「タイピング検査」といい(どの型のHPVにかかっているのか詳しく調べる検査)、費用は自費で約6280円です。
その他に、タイピングはできませんが、保険診療範囲内の検査もあります。(ただし、この検査の範囲には条件がありますので、ご相談ください。)
HPVワクチンで不妊になるというのは本当ですか?
 そういうことはありません。HPVワクチンに関しての不安は、必ずワクチン接種前に医師や看護師にご相談ください。
サーバリックスとガーダシルの接種スケジュールの違いはありますか?
 サーバリックスは初回接種から1ヵ月後、6ヵ月後に、ガーダシルは初回接種から2ヶ月後、6ヵ月後に接種します。
「サーバリックス」を1回接種しましたが、2回目以降、「ガーダシル」を接種することはできますか?
 「ガーダシル」と「サーバリックス」は、いずれも同じワクチンを3回続けて接種することになっています。片方を接種後にもう片方を接種する場合の効果などは分かっていません。1回目に「サーバリックス」を接種した方は、2回目以降も引き続き「サーバリックス」を接種してください。

緊急避妊薬

内服しても妊娠していたら、赤ちゃんは奇形?
 ノルレボ内服後の奇形の報告はありません。
1時間でも早い内服がいいのですか?
 性交後72時間以内の内服であれば、避妊成功率に差はありません。
72時間経ってしまったが今から飲んで少しでも妊娠の可能性を下げられますか?
 72~120時間では、60%の妊娠阻止率となります。
内服して、3週間後の検査の間にSEXしても大丈夫ですか?
 緊急避妊ピル内服後に排卵が起こり妊娠する場合もあります。必ずコンドームなどで避妊を行って下さい。

予防接種外来

基本的な質問

定期接種と任意接種はどう違うの?
 予防接種には定期接種(予防接種法で市区町村長の責任で接種することが定められている、公費負担のもの)と任意接種(定期接種以外の予防接種。一部自費のものと全額自費のものがある)があり、日本の法制度上の違いによるもので、医学的には定期と任意で予防する病気の重さに違いがあるわけではありません。定期・任意にかかわらず、基本的にワクチンで防げる病気(VPD)はすべてワクチンで防ぐ必要があると考えてください。H25年度中に、ヒブ、小児用肺炎球菌、HPV(子宮頸がんなど)ワクチンは定期接種になる見込みです。おたふくかぜ、水ぼうそう、B型肝炎は近い将来定期接種になることが決まっています。ロタワクチンも検討中です。しかし、病気は待ってくれませんので、それを待たないで、すぐに接種を始めて下さい。 当院で接種されるお子様には定期・任意全てのワクチンを受けていただきます。
有料の任意接種のワクチンは、受けても受けなくてもどちらでもよいの?
結論から言いますと、受けなくて良いワクチンはありません。その理由は前の質問をご覧ください。
ワクチンの助成は自治体によっても異なり、御負担も大きいと思います。でも、ワクチンを接種しないでVPDにかかって重症になってしまったら、どうでしょう。通院や入院などによる経済的・肉体的負担、さらに精神的負担は小さくありません。何よりも、子ども自身が一番つらい思いをします。もし、後遺症が残ったり、命を落としたりしたら・・・。うちの子に限ってそのようなことはないとは言えませんので、悔いの無い人生を送ってください。お金のかかるのは事実ですが、ワクチン接種でお子さんをVPDから守ってください。
生ワクチンと不活化ワクチンの違いは何ですか?
ワクチンには、感染症の原因となる病原体を、病気を起こさない程度に性質を変えて、その病気に対する免疫力を着けるものです。その作られ方から3つの種類があります。
生ワクチン:生きた病原体の病原性(病気の強さ)を弱めたウイルスなどを接種して、体の中で増やし免疫をつくります。次の他のワクチン接種までは27日以上空けます。(ロタ・BCG・MR・水痘・おたふく など)
不活化ワクチン:免疫をつくるのに必要な成分を病原体から取り出し、可能な限り毒性をなくした成分を複数回接種して免疫をつくります。次の他のワクチン接種までは6日以上空けます。(B型肝炎・ヒブ・肺炎球菌・DPT-IPV・日本脳炎・インフルエンザ・HPV など)
トキソイド:細菌が産出する毒素だけを取り出し、毒性を弱めて、免疫を作れる成分を何回か接種して免疫をつくります。実際は、不活化ワクチンと同じ扱いになりますので、次の他のワクチン接種までは6日以上空けます。
小さいうちにワクチンを接種することに不安があります。
生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんからもらった抵抗力(免疫)で守られていますが、その抵抗力は、生後2か月くらいから減りはじめ、生後6か月頃でなくなってしまいます。このため、抵抗力が減って病気にかかる前にワクチンでしっかり守ってあげることが重要です。また、たとえ10種類のワクチンを同時に接種しても、赤ちゃんの免疫の0.1%しか使用しません。ですので、欧米では25年前から行っており、問題が無いので、今も続いているのです。
泣くのは注射を打つときだけです。本当にかわいそうなのは赤ちゃんが病気になって苦しむことです。ましてや重い症状を招いたり、後遺症を残してしまうことの方がもっとかわいそうなことだと思います。
ワクチン接種より、自然感染のほうがしっかり免疫力がつくのでは?
ワクチンは自然感染と同じように私たちの体内の免疫システムをうまく利用して免疫を作り出します。自然感染のように実際にその病気を発症させるわけではなく、コントロールされた安全な状態で免疫を作り出します。たしかに自然感染よりは獲得できる免疫は弱いために、複数回の接種が必要なワクチンもあります。でも、自然の病気にかかって(自然感染)で免疫をつけることは、子どもにつらい思いをさせるということです。それだけでなく、感染による死亡や後遺症のリスクを伴うことを忘れないでください。また、医療費がかかるだけでなく、ママ達も仕事を休むなど、大きな負担がかかり、接種をしていない兄弟にもうつります。
適切な回数の接種をうけていれば、病気にかからず、もしかかっても、ワクチンを接種しないときより症状は軽く、命にかかわるような重症になる心配はほとんどなくなります。自然に病気にかかるよりも安全に抵抗力をつけられるのがワクチンなのです。
ワクチンには副作用(副反応)があるから、接種しないほうが安全では?
ワクチン接種後の副作用はゼロではありませんから、保護者のかたが不安に感じても無理はありません。でも、重い免疫の病気や大変強いアレルギー体質などがない健康な子どもに重大な副作用が出ることはまずありません。実際には、一部の子どもに接種した場所が赤く腫れたり、少し熱が出たりすること程度の軽い副作用がほとんどです。
世界中でワクチン接種が推進されているのは、VPDが子どもたちの命を脅かす重大な病気であり、ワクチンが予防法として安全性と確実性がきわめて高いからです。米国では、特別なことの無い限り、定期接種です。重い免疫の病気などの無いお子さんは安心して受けてください。
日本で全くはやっていないVPDのワクチン接種に意味がある?
現在、流行していないが、はしか(麻しん)やポリオなどの伝染する病気では、多くの子どもがそれに対するワクチン受けていると、はしかのやポリオのウイルスが日本から消えます。ジフテリアも同じです。しかし、ワクチンを受ける人の割合(接種率)が下がれば、必ず流行します。地球上からワクチンで根絶させた天然痘ウィルスであれば、ワクチンは不要です。
伝染しない傷風菌は、世界中の土の中から見つかります。子どもの破傷風の病気が少ないのは、ほとんどの子どもがワクチンを受けているからです。東日本大震災の時も、多くの大人がかかりましたが、その不幸な方は、昔はこのワクチンが無かったために、受けてないので、発病したのです。
海外渡航の予定があります。予防接種はどうすればいいの?
どこに行く場合でも、その年齢に必要な定期接種と任意接種のワクチンを必ず生後2か月から受けておいてください。その上で、渡航国、季節、滞在場所(市街地か農村かなど)、滞在期間などによって日本では使用されていないワクチンが必要になります。その場合は渡航用ワクチンを接種している病院(トラベルクリニック)をご紹介します。その地域の医療体制や病気の流行状況だけでなく、治安状況などの情報をえることも必要です。また、英文診断書や予防接種記録が求められることもあります。これらもトラベルクリニックでは可能です。

同時接種・大腿部接種についての質問

同時接種は大丈夫?小さな赤ちゃんに複数のワクチンを打っても大丈夫ですか?
たくさんのワクチンを接種すると、子どものからだに負担がかかり、免疫に影響を与えるのではと心配になるかもしれません。 四種混合(DPT-IPV)ワクチンのようにいくつかのワクチンが混合されていたり、1回に何種類かのワクチンを受けることは25年以上前から、世界ではごく普通に行われています。子供の免疫の力は弱いのですが、ワクチン10本を同時接種しても、免疫力の0.1%くらいしか使用しません。アメリカでは生後2か月の赤ちゃんに6本のワクチンを同時接種しています。実際問題として、長い間世界中で使用されて問題が起こっていないことが最大の証拠といえますね。
同時に複数の病気に対する抵抗力を早く、病気にかかる前につけることができますし、通院の回数も減らせます。子供に対して、同時接種と1本接種の安全性に差はありません。
もちろん、ご希望で1回の通院で1つのワクチンを接種していくことも可能です。
同時接種でうけるよりも、一本ずつ受けた方がワクチンの効果が高いのでは?
一度に何本ものワクチンを接種しても、それぞれのワクチンの効果は変わりません。副作用の危険が高まることもありませんから、安心して受けてください。
同時接種は何本までなら大丈夫?
日本では、同時接種があまり一般的でないために左右の腕に1本ずつ2本までの医療機関があります。でも、本当は同時接種の本数に制限はありません。米国では、生後2か月になると未熟児でも6種類のワクチンを同じ日に受けます。生後4か月も5種類です。同時接種なら複数のVPDを先送りにせずに、早く確実に免疫がつけられます。同時接種は世界の標準なのです。
同時接種のメリットは、何度も通院しないことだけですか?
実は同時接種の最大のメリットは、通院回数がへることではありません。複数のワクチンを同時に受けることで、病気に対する免疫が早期にえられ、早い時期に子どもをVPDから守ることになります。だからこそ、世界中の医師が同時接種をおこなっているのです。
同時接種は同じ日にしないとだめなのでしょうか?
日本では、原則はそうなっております。ヒブなどの不活化ワクチンを受けた時に、別の不活化ワクチンや生ワクチンを受けるまで、中6日あける必要があります。すなわち次の週の同じ曜日になれば受けることが可能です。
ロタウイルス、BCG,麻しん、風しん、水ぼうそう、おたふくかぜの生ワクチン接種した後は、他のワクチン接種との間隔は中27日あけることになります。
同時接種だと、子どもが泣き続けて可哀想。
5本受けても、泣きやむ時間は1本と変わりません。当院では接種は腕ではなく大腿部に行うので、痛みも少なく早く終わります。接種後は、着物もそのままですぐに、子どもの顎がお母さんの肩に乗るように抱き上げ、お母さんは後ろに反り気味に(おみこしを担ぐように)、ヨシヨシと声をかけて上下に優しくリズミカルに揺れるとすぐ泣きやみますよ。お母さんが一番の痛みどめです。5~6か月以降はアンパンマンなどの絵に触らせて注意をそらすのも良い方法です。
普通、予防接種は腕にするものではないのですか?
当院では、3歳未満の子どもには、原則として大腿部に接種を行います。これが世界の標準です。その理由は、大腿外側部は、筋肉量も多く、太い神経と血管が無いので接種には最適の場所です。腫れも少なく、赤ちゃんにとっては腕より痛くありません。最大6種類ものワクチンを接種できるのも、腫れの少ない大腿部だから安心に行っています。

スケジュールの質問

かかりつけ医の選び方のポイントは?
0歳の予防接種は、種類も接種回数も多くスケジュール管理がたいへんです。上手にスケジュールを立てるためには、かかりつけ医が強い味方。同時接種で受けられるところであれば、赤ちゃんの体調不良などで予定通りいかなくても、大きな問題になりません。かかりつけ医は、自宅から無理なく通えて、同時接種で受けられる医療機関がおすすめです。
予防接種の準備は、いつごろ、何から始めればいいの?
0歳児のワクチンには生後2か月になる前に接種できるものがありますが、全体のスケジュールや病気にかかるリスクを考えますと、初めてのワクチンは生後2か月からできるだけ早く始めましょう。できれば子どもが誕生したらすぐに、遅くとも1か月健診を終えたら小児科を探しておきましょう。小児科がきまったら、予防接種のスケジュールを立てます。そうすれば、2か月からスムーズに始められます。
オススメは、生後2か月の誕生日にヒブ・小児用肺炎球菌・ロタウィルス・B型肝炎ワクチンを同時接種でうけるのがベスト。ロタウィルスワクチンは、接種できる期間が短く(初回接種は生後14週と6日が上限)、お子さんの月齢によっては受けられなくなりますので注意しましょう。
当院で使用しているVPDを知って、子どもを守ろうの会のスケジュール表を見ると簡単に分かります。日本中の多くの施設でも使用されています。
問診票に、1か月以内に受けた予防接種の有無とありますが、1か月以内に受けていたら、接種できないということ?
前回接種からの接種間隔が適切であるかを確認しています。1か月以内に予防接種をうけていても、「不活化ワクチン→1週間後に生ワクチン」なら問題ありません。また同じワクチンを連続して接種する場合には、それぞれ決められた接種間隔がありますので、注意が必要です。
当院で受診される方には「VPDを知って、子どもを守ろうの会」のスケジュールに添ったカレンダーをお渡ししております。(小児科学会のスケジュールもほぼ同じです。)
ワクチンによって接種回数が違うのはなぜですか?
ワクチンには大きく分けて生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があり、それぞれ接種回数が異なります。生ワクチンは生きたウィルスや細菌の病原性を弱めたものです。自然感染に近いかたちで抵抗力がつき、接種回数も1~2回と少なくてすみます。一方、不活化ワクチンは殺したウィルスや細菌を使っているため、体内でウィルスや細菌が増えることはありません。十分な抵抗力をつけるためには基礎免疫(2~3回)と追加免疫(ワクチンによって違いますが、数回)が必要です。

接種前によくある質問

ひどくはないですが、かぜ気味です。うけても大丈夫ですか?
鼻水や咳があっても、元気で体温が37.4度以下であれば、ほとんどの場合接種できます。鼻水や咳がひどくて苦しそうなときには、予防接種を延期してください。
小さなお子さんの「体調が万全」なときは意外と少ないもの。お母さんが迷うのも無理はありません。鼻水が出ていても熱がなく機嫌もよく、診察で問題がみられなければ、医師の判断で接種可能なこともよくあります。日本では法律のために不可能ですが、米国では熱が38.5度くらいまでの場合は、どんどん接種しています。それぐらいワクチンの安全性は高いのです。
もともとウンチがゆるくて下痢気味です。受けない方がいいのでしょうか?
離乳食前の乳児はウンチがゆるい赤ちゃんが多いですが、心配ならば軟便の程度を医師に伝えて接種できるか判断してもらうのがいいですね。当然のことですが、嘔吐や水様便など嘔吐下痢症がひどい場合には予防接種は延期しましょう
予診票で、子供の1か月以内の病気だけでなく、家族や遊び仲間の病気まで詳しく記入した方がいい?
予診票は、お子さんが予防接種を受けてよいかどうかを医師が判断するための大切な情報源。おたふくかぜ、みずぼうそうなどに兄弟や仲の良いお友達がかかった場合には、その病気にうつっていないかを確認します。潜伏期間の可能性があれば、接種を見合わせることもあります。
薬や食品アレルギーだと接種できないのですか?自分が卵アレルギーだったから子供も受けられませんか?
接種したいワクチンに含まれる成分に関係するアレルギーがあるかどうかを確認します。お子さんが卵アレルギーだったとしても、その時期や症状の程度によっては、医師が接種できると判断します。また、アレルギーの治療中の場合は、治療を受けている先生とご相談ください。

接種後の質問

注射した部分はもんだほうがいいですか?
接種した部分はもまないほうが、腫れ(はれ)ないためにも良いのです。接種した部分が赤くなったり、腫れたり、しこりができることがありますが、ふつうは、処置は不要です。本当に万一ですが、大きく腫れが広がってぐずる時は、大きな病院を受診して下さい。
予防接種の日は外出はしない方がいい?お風呂は?
接種当日は、待合室などで30分くらい、顔色などを観察して頂きます。そして、接種後1時間すれば、入浴を含めて一切の制限はありません。ただし、全く初めてのこと(離乳食の種類やプールなど)を行うことはお勧めしません。
ロタを接種後吐いてしまった。飲み直しは必要ですか?
赤ちゃんは吐きやすいものですね。ただし、飲んだワクチンは、胃の中ですぐに拡がり、どんどん腸の中に入っていきます。そのために、多く吐いたとしても、実際はワクチンの効果がでます。ですので、世界基準は飲み直しをしておりません。
接種後に熱がでたり、腫れたりすることはよくあることですか?
小さな赤ちゃんにワクチンを打って、副作用(副反応)はないのだろうかと心配される方もいらっしゃると思います。もちろんワクチンは体にほんのわずかですが異物を入れるわけですから、注射部位が赤く腫れるという反応や熱がでることがあります。でも、それはワクチンによって抵抗力をつけている過程でおこる体の反応のひとつです。軽い副反応は、ほとんどは数日以内によくなります。一方、重い副反応として、アナフィラキシーという一種のアレギー反応がおこる場合が稀にあります。どんな薬でも食べ物でも、その人に合わないことがあるためです。ワクチンによるアナフィラキシーは接種直後に起こることが多いので、症状がでたときにすぐに対処できるよう接種後30分くらいは病院にいるといいでしょう。しかし、現在のワクチンは改良されていますので、本当に命にかかわるような副作用は極めて稀です。
接種後、子どもの具合が悪くなったらどうすればいいですか?
5-8歳以上になると、注射をした後に失神する方がいますが、それは迷走神経反射といい、「痛い」からではなくて「痛いのではないか?」という過度な緊張感から引き起こされるものです。ですので、採血でも起こることが多いのです。迷走神経反射にしろ、アナフィラキシーショックにしろ、30分以内に起きるものがほとんどですので、御心配な方は接種後30分ほど院内でお待ちください。
次に、接種した夜に発熱などの症状が起きた場合、それが接種によるものなのか、その他の原因があるのかを冷静に判断する必要があります。例えば、肺炎球菌のワクチン「プレベナー」の接種後は1割の乳児が発熱しますが、何もしないで、翌日には治まるのがほとんどです。お母様が落ち着いて対応することが必要です。極端に顔色や機嫌が悪くなければ1日様子を見ましょう。
しかし、39度以上の熱があり、顔色も機嫌も悪いという症状があれば、念のために大きな病院の救急外来を受診してください。

各予防接種についての質問

細菌性髄膜炎予防のワクチン、「小児用肺炎球菌ワクチン」と「ヒブワクチン」ってどんなものですか?
細菌が脳についてしまう恐ろしい細菌性髄膜炎の症状には発熱や頭痛、けいれん、さらには意識障害などがありますが、最初は風邪の症状とそれほど変わりなく、診断がとても難しい病気です。そしてかかると命を落としたり、発達障害や運動機能障害などの後遺症を残すことのある重い病気です。この細菌性髄膜炎の主な病原菌は、肺炎球菌とインフルエンザ菌b型(ヒブ)細菌です。日本では毎年約800人の子どもが2つのワクチンで防げる細菌性髄膜炎にかかっているといわれ、特に生後6か月から1歳未満の乳児が発病することが多い病気です。
これらの菌に対するお母さんからの抵抗力が減りはじめるのは生後2か月頃です。この頃から肺炎球菌やヒブによる細菌性髄膜炎を発病する児が増えてきます。したがって、細菌性髄膜炎を予防するには、これらの菌に対する抵抗力が減り始める生後2か月頃から、この2つのワクチンをセットで接種する必要があります。保育所に預けると、かかる率が2-3倍になります。なお、5歳くらいまではリスクがありますので、接種がまだの方は接種をおすすめします。
ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンは、片方ではだめ?
ヒブ(菌)による細菌性髄膜炎は年間約600人おります。それに対して肺炎球菌によるものは約200人です。そう見るとヒブワクチンの方が大切のように見えますね。しかし肺炎球菌による髄膜炎にかかると、死亡する割合や重い脳の後遺症が残る割合は、ヒブの場合の倍と、多くなります。ヒブと肺炎球菌のどちらが原因となるかわかりませんので、細菌性髄膜炎の予防のためには、どちらも接種する必要があります。ぜひ受けてください。防犯のためには玄関と裏口の両方に鍵をかけるのと同じです。
保育園児の兄弟がいるとヒブや肺炎球菌を保菌しやすい?
保育園などでの集団生活は、感染症にかかりやすい環境といえます。これは、多くの子供と長時間、同じ空間で過ごし、病気の原因となる細菌やウィルスに触れる機会が増えるためです。なかでも肺炎球菌やヒブは、多くのこどもの鼻やのどの奥に住み着き(保菌)ます。こどもの体力や抵抗力が低下すると、あるいは特に変化が無くとも、細菌性髄膜炎などの重大な感染症を、家にいる場合に比べて2-3倍多く引き起こします。
保菌は、保育園などの集団生活を送る通園児だけでなく、その通園児を兄弟にもつ子供(未就園児)にも多くみられます。また、家のおじいさまやおばあさまにうつることも知られています。
小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの2つのワクチンで、細菌性髄膜炎を予防しましょう。
上の子はヒブと肺炎球菌を接種していません。今からでも遅くないですか?
ヒブは5歳未満、肺炎球菌なら9歳以下ならば接種が有効です。ぜひ受けてください。年齢により接種回数が異なりますので相談して接種して下さい。
ロタウィルス胃腸炎予防ワクチンは2種類ありますが、どちらを受けた方がいいですか?
2回接種と3回接種があります。2回接種は生後6~24週、3回接種は生後6~32週の間に接種を終了させます。ただし、初めての接種はどちらのワクチンでも生後14週6日(約3か月半)までに受けることが強く勧められています。世界的に見ても、2つのワクチンの効果に特別な差はなく、大変有効です。当院では2回で接種が終了し、免疫がつく2回接種のワクチンを取り扱っております。
ロタウィルスワクチンは、初回をなぜ14週6日までに受けなければいけないの?
ロタウィルスワクチンの初回接種が14週6日までと決められているのには理由があります。それは、ロタウィルスワクチンの副作用である腸重積症の発生リスクをできるだけ小さくするためです。1998年に最初のロタウィルスワクチン(ロタシールド)がアメリカで導入された時に、接種月齢の遅い集団で腸重積症が多く起こった(1万回接種して1人程度)ため、1999年に発売が中止されました。現在世界中で安全に使用されているロタウィルスワクチン(ロタリックスとロタテック)は、この腸重積問題を解決したので、世界中で導入されています。すなわち、初回接種や接種完了の期間を厳密に定めて、大規模な臨床試験が世界各国で実施され、きわめてすぐれた効果や安全性が確認されたのです。
初回接種は生後6週から接種できますが、遅くとも生後14週6日までに行います。接種の完了は、2回接種のロタリックスでは24週、3回接種のロタテックでは32週です。この週数を越えて接種することはできません。
できるワクチンはすぐ接種したいです。ロタワクチンを生後6週から初めてもいいですか?
全体の予防接種スケジュールを考えるうえでは、生ワクチンであるロタウィルスワクチンを6週すぐに接種すると、他のワクチンの接種まで4週間空けないといけないため、ヒブや小児用肺炎球菌ワクチンの接種開始が2週間も遅れてしまいます。したがって、NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会では、「ワクチンデビューは、生後2か月の誕生日」を合言葉に、生後2か月のできるだけ早い日にヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎ワクチンとの同時接種で赤ちゃんのワクチン接種のスタートとしていただくことを提案しています。
上の子はロタとB型肝炎の予防接種を受けていません。最近になって予防接種の必要性がわかったのですが、今から接種したら遅いですか?
ロタワクチンの接種時期は上記のように制限が有り、初回接種は生後14週6日(約3か月1-2週)までです。ただし、生後20週までの初回接種は、禁止されているのでは無いので、ご相談の上で決めます。
B型肝炎に関しては、どの年齢でもうけられます。低い年齢で開始する方が、免疫ができやすく、早く病気を防げますので、思い立ったが吉日です。
こどもが接種できる主なワクチンとワクチンで防げる病気を教えて下さい。
下記の表を参考にしてください。H25年4月からの予定情報ですので、定期接種と任意接種の最新情報は自治体にお問い合わせください。
こどもが接種できる主なワクチンとワクチンで防げる病気
  ワクチン ワクチンで防げる病気
定期接種 ヒブワクチン*1 ヒブ感染症(細菌髄膜炎など)
小児用肺炎球菌ワクチン 肺炎球菌感染症(細菌髄膜炎、肺炎など)
四種混合(DPT-IPV)ワクチン ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ(小児麻痺)
BCGワクチン 結核
麻しん・風しん(MR)ワクチン 麻しん(はしか)・風しん(三日ばしか)
日本脳炎ワクチン 日本脳炎
HPVワクチン*2 子宮頸がん
任意接種 B型肝炎ワクチン B型肝炎
ロタウィルスワクチン ロタウィルス感染症
水痘ワクチン 水痘(みずぼうそう)
おたふくかぜワクチン 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
インフルエンザワクチン インフルエンザ
*1 ヒブ=インフルエンザ菌b型  *2 HPV=ヒトパピローマウィルス